突然すぎて抵抗すら出来なくて・・・・


ただ、先生が言った言葉だけが頭の中に反芻してた。



夕日に 濡れる教室で、 は・・・・




「くっそ!もう、あの先生は一体何を考えてんだよ!!」


誰もいない夕方の教室に俺の独り言だけが響く。
窓の外からは部活動で忙しいみんなの声がきこえてくる。
「あーあ、もう・・・・」
そこまで言って俺は手にしていた作業を放り投げ、椅子にもたれかかった。
机に広がる行事予定のしおり。一学年350人分・・・・。


あり得ない、こんな数・・・・死、死ぬ・・・・。


死ぬという表現は行き過ぎたか・・・まぁ、そのくらい辛いって事だ。
あぁ、俺は一体何をしているんだ
本来なら俺は今頃家に帰って、テレビゲームでもしている頃だろう(暗いとか言うな)
本来なら・・・・な・・・・



ガラッ

「おい!サボるな伏見っ!」


あぁ、今一番会いたくない奴(先生)が来てしまった・・・・



そう、あれは忘れもしない新学期。
2年生、俺は顔見知りの奴らと一緒のクラスになれたことに安堵した。
今年もこいつらと一緒に絡んでいればいいや・・・なんて、平穏な事を考えていた矢先・・・・。

教室に入ってきた見知らぬ人・・・・


「はい、みなさん初めまして。前の先生が産休を取られたので1年だけ皆さんの担任になります
深澤勇紀です・・・・よろしく」


細身で、先生なのに結構派手な髪の色。
背は低く、色は白く・・・・下手したら生徒に間違えられるほど若い。
第一印象は「大人しくて、頼りない先生」だった。



が!!



そんな考えが一瞬にして消えた。

一通り今学期の説明も出席確認も終わった後
「あー・・・、新しいクラスで早速だけどクラス委員を決めたいと思います。」
「はいっ!」
出しゃばりな大谷が挙手をしたのを深澤先生が一見した。
「んー・・・、君、頼りなさそうだから駄目」
「はぁっ!?」

先生はクラスを見回し・・・・あろう事か俺で目を留めた。
「あー、伏見。お前委員長な」
「はぁっ!!!??」
な、なぜ俺なんだ!!
「お前、席が一番後ろで窓席だろう。そこからみんなの事みとけよ」
「ちょっ!まってよ先生!!そんなの」
「納得いかないです!!」
おおっ!此処で大谷が反論した。そうだ、お前が委員長になれ!!
「なんで俺じゃ駄目なんですか!?」

「だーかーらー、頼りなさそうだから」
「見た目で決めないでください!!ちゃんとみて下さい!」
「んー・・・・、しかたないなぁ・・・」


先生は立ち上がり、何故か大谷の近くまで行った後・・・・


「うるさいっ!」
そんな一言だけを残して大谷にかかと落としをキめた。綺麗なくらいに直で入った。


ガッシャーン

凄まじい音を立てて大谷は倒れた。
「俺の言う事、絶対的。わかった?」


大谷、倒れながら返事をする。




あれ以来、うちのクラスでは先生を恐れ、誰も反抗はしなくなった。
でもたまに大谷が何もしなくても蹴りを入れられてはいるけど・・・・。
それ以外ではみんな静かだった。
女子の間では先生は結構人気で、以外と優しい一面もあるそうだ。



ただし、俺以外に。


クラス委員になってからと言うモノ、本当に苦労が耐えない。
いつも無理難題を押しつけては、自分だけが楽をしている。
俺は先生の良いパシリって処だ。



「はぁ・・・・」
「はいはい。ため息ついている暇があるんだったら、手、動かせよ」


先生は教卓の椅子に腰を掛け、優雅に大谷から没収した漫画本を読んでいる。
まったくこの人は・・・・

「せんせー、漫画読んでるンなら手伝ってよ」
「んー?やだ」
憎たらしい笑顔でこっとを向きやがって〜!
「・・・はぁ、なんで俺なんだよ・・・・」
「なんか言ったかぁ?」
「いいえ。何も!」
ちっ、地獄耳かよ・・・・、小さい声で言ったのに・・・。


ガッション・・・ガッション・・・・


しばらくホッチキスの音だけが静かに教室に響いた。
窓の外からはもう、部活動が終わる頃だった。

「伏見〜、後何部?」
「ん〜・・・と、あと・・・10部!」
「おおっ!そっか。じゃぁ終わったらご褒美やるよ」
「えっ!まじ!?やった!!」


へぇ〜、結構良いところあるジャン♪


なんて浮かれていたら目の前の席に先生が腰を掛けた。
俺と向かい合う感じで。
「な、何ですか?」
「ん?本読み終わって暇になったから伏見の様子を見に来た」
「あ・・・・、そうですか」
なんだ、手伝ってくれるんじゃないのか・・・・


ガッション・・・・ガッション・・・


また、ホッチキスの音だけが響く。
あと・・・・、3部・・・・

ガッション

あと、2部・・・

ガッション

あと、1部・・・

ガッションッ


「おっ!終わったぁぁぁぁぁっ!!」
「おー・・・、お疲れ!」
う〜んとのびをして、椅子にもたれかかった・・・。
はぁ、長かった・・・この道のり・・・・やっと今、終わった!


「ご苦労ご苦労」
「はぁ・・・・、疲れた」
「・・・伏見ってさぁ」
「はい?」
先生がやけに真顔で話しかけてくる。


「伏見ってさぁ、顔、綺麗だよね・・・」
「は?」
また何を言い出すんだこの人は。
「目は大きくて、睫毛も以外と長くて・・・・唇も、太くて・・・あと、手も綺麗だよなぁ」
「な、何を言ってるんですか先生?」
「・・・お前、なんで俺がお前を委員長にしてるか知りたいんだろう?」
「えぇ、それはもちろん」



なんで俺なのか。
こんな雑用なら大谷でもよかったんじゃないか。


なんで、俺・・・・・?


「それはな・・・お前のことが好きだからだよ」

「・・・・・・え・・・?」


先生は俺の机越しに身を乗り出し、俺の腕を掴んで


キスをした


凄く、長いキスだった。
俺はビックリして体を動かすことも、抵抗もできなくて・・・・
ただ、さっき先生が言った言葉だけが反芻した。


「お前のことが好きだからだよ」


先生が・・・・俺を?


・・・・・・好き・・・・?



ようやく唇を離されたときは、お互い少し息が上がってて・・・
顔が・・・耳まで熱くなっていた。
見上げて先生を見ると、夕日のせいなのか分からないけど、顔が赤かった。




「あっ・・・!せ、せんせっ!」
我を取り戻して椅子から立ち上がり、後ずさろうと足を一歩出した瞬間
「待てよっ」
俺の腕を先生が掴んで、細身では考えられないほど強い力で、俺は押し倒された。
「・・・ってぇ〜」
「伏見」
はっ――――――!!
先生が俺にのしかかり、身動きがとれないように腕を掴まれた。
「ちょっ、冗談!やめてくださいっ!」
押さえつけられながらも一生懸命抵抗する俺に、先生は余裕の笑みを浮かばせる。
「冗談なんかじゃないさ・・・いつでも本気」
「はぁっ!ちょっ・・と・・!!せ、先生!!」
「五月蠅い」
そりゃ五月蠅くもなりますがな!!だっ、だって・・・



「ど、何処に手ぇ忍ばせてるんですか!!」
「ん?学ランの中」
先生は器用に学ランのボタンを片手ではずしはじめた。
「ちょっ・・・ぁっ!」
首筋に先生が舌を這わす。初めて感じる他人の舌の感触、違和感。一瞬ゾクリとした。
「ちゅっ・・・くちゅっ・・・」
妙に大きな音が教室に響いた。
「あっ・・・やぁっ・・・!」
「やめないよ、お前がどんなにせがんでもな」
先生はまた余裕の笑みを浮かべ、シャツのボタンを外し始めた。


「俺が・・・俺がどんなにお前に触れたかったか」
「っ・・・ぇ・・・・?」

シャツのボタンが剥がされていく・・・一つ、二つ・・・三つ・・・・


「どんなに俺がお前のこと好きだったか・・・お前には見当も付かないだろう」


四つ・・・五つ・・・・


「お前を新学期見たときから・・・ずっと触れてみたいと思った、話してみたいと思った」



シャツのボタンが全て剥がされ、俺の上半身が露わになった。


「あっ・・・せ、先生・・・・ちょっ、マジ・・・・?」


「俺は何時だって本気だよ。何時だって、本気でお前のことを見ていた。
クラス委員を決めたのだって、お前との時間が欲しいからさ。



ずっと・・・・お前が欲しかった・・・・」


俺・・・・を?俺を欲しい・・・・?
先生の真剣な眼差し。一方的な感情を押しつけられているのに、こうやって押し倒されてもいるのに・・・
何故だろう・・・・、今まで感じたことがないくらい、心臓がドキドキいってる。


「伏見・・・・お前は・・・?お前は・・・俺が、好きか?」



真剣な中に怯えた先生の感情が初めて見えた。
気付かなかったけど、ずっと手が震えてる・・・・・
乱暴者で、人の言うことも良く聴かないで、人使いが荒くて、それで・・・


でも・・・


それなのに、どうして今・・・・この人が可愛いって思えるんだろう。


どうして今・・・彼になら・・・俺を上げても良い・・・なんて思っているんだろう。



「せっ、先生・・・俺」



ピンポンパンポーン・・・・♪
『2年C組担任の深澤先生〜・・・深澤先生〜・・・お電話が入っております〜。至急職員室までお戻り下さい』
ピンポンパンポン♪



「・・・・・・あ・・・・」
静かな教室にいきなり響いた那オキ先生のゆっくりした放送。
お互いビックリして固まってしまった・・・・


「・・・・あ、あの・・・・」
固まった沈黙を破ったのは俺からだった。
「先生・・・・よ、呼ばれてるよ・・・・」
「・・・・はぁ〜・・・、電話の奴・・・」
うなだれすねる先生の表情・・・・そんな顔が何故か可愛くて笑ってしまった。
「なに笑ってるんだよ・・・」
「プククッ・・・いや、別に・・・」
「ったく・・・・」



先生は俺の上からどいて立ち上がり、教室のドアに向かった。
そして教室のドアに手を伸ばしたとき振り向いて・・・


「あ、伏見・・・、明日もお前居残りな」
「えっ・・・えぇっ!!」
「今日の続きを明日に。・・・サボったり休んだりなんかするんじゃねぇぞ。いいな」


ガラガラっ・・・ピシャン


それだけ言い放つと荒々しくドアを閉め、出ていってしまった。





明日・・・・・も!?


今更慌てたって後の祭りさ、先生の言うことは絶対的。




あんな先生大っ嫌いだ!!
俺の意見無視して・・・キスして、押し倒したりして・・・・勝手に、約束まで・・・


でも・・・



悔しいけど、なんか・・・・なんか、本気で・・・・あんたのこと・・・・





好き・・・・なのかもしれないよ・・・・。




(たぶん)オワリ




書いてて私だけが楽しい小説★
えへへへっ!なんだこの甘いのは!!最後特に!兄貴恋しちゃってますね!!
塚、設定考えるのが一番楽しかった!
今回悔いはないわ!!(いつっもはある)

さてさて、次回も学園パロディ小説は出来上がるのでしょうか・・・・
うぅ、続くと良いんだけどなぁ;



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