眠れない。




あの日からあまり眠れなくなった。





厄介なことに、その原因は目を閉じると浮かぶ顔のせいで。


静かなところに居るとよみがえるあの声のせいで。





あの暖かい教室の中で出会ったあの日から、あまり眠れない。





回想迷宮路



「はぁ・・・・」


もう何度寝返りを打ち、何度ため息をもらしただろう。
あの日から、ずっとこんな調子だった。


けど・・・・、今日は特別また眠れない。



今日は、目を閉じると浮かんでくる光景が違う。




夕日に浮かぶ紅潮した顔、初めて触れた手、体、唇。
戸惑い、慌てた声。甘い声。


伏見



とうとう、今日あいつに手を出してしまった。



出会ったあの日から・・・・なんて、なんかお決まりのラブソングっぽい感想だけど・・・。


でも、悔しいけど本当にそんな気持ちだ。
春の教室で最初に目に留まった。
特別騒がしい奴でもない。大谷みたいに自己主張が激しいわけでもない。


ただ、彼には人を魅せつける雰囲気があった。
その雰囲気を一目見ただけで分かった。「あぁ、彼は何か違うのだ」と
彼に近づきたいと思った。でも、俺は不器用だから、あんな事でしか彼に接触できなかった。


「お前!今日から委員長!!」


自分でも子供っぽいと思っているさ。
でも・・・、どうして良いか分からなかった。ただ側にいたいと思った。



出会ってから普段の伏見の生活を見ていたが、彼はとても騒がしかった。
授業中もよく喋っている、塚、喋りだしたらとまらない。
でも、冷静な所では、じっくり考え、じっくり行動する。
いつしか彼の癖まで覚えてしまうほどだった。



ますます、惹かれた。



自分は不器用だから優しくできなかった。
いつも命令口調で、無理難題を押し付け、困らせ・・・・。
今日も、困らせた。



自分の気持ちを抑えることが出来なかった。
もちろん後悔しているさ。
男・・・男なんだから。


俺はいままでだって男に興味を持った事なんて無かった。
同性愛だとか、そんなモノは受け付けていなかった。
なのに・・・なのに・・・・



伏見を好きになってしまった。



この気持ちは初恋に近いぐらい戸惑い、ドキドキした。
抑えることが出来なかった。



もちろん後悔しているさ。



嫌われた?
嫌がられた?
嫌われた?
嫌われた?
嫌われた?

キラワレタ?



眠れない。


でも、寝なくても朝は来て、学校に行かなくてはならない。




明日。伏見は来てくれるのだろうか。




明日、俺は俺でいられるのだろうか・・・・。





期待は不安に。不安は期待に。
夜は明ける。




END

はい!深澤先生悶々日記。
いや、深澤先生の気持ち書かないか悩んでたんだけど、思いついたから。
さぁさぁ、この二人一体どうなってしまうのでしょうか・・・?
(一体どうまとめたらいいのだろうか・・・)
あ、基本的にうちの小説は一話完結ですから。
今回だけ、つなげてみました。
(今回だけね)






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