ごめんね。傷つけて・・・・ごめんね、君のことが壊れそうな位に好きなんだ。



「まことっ!!」
建物の物陰に小さな背中を見つけた。
いつもより小さくなっている背中は、俺が傷つけた・・・・、俺の、自分勝手な感情で。

「あ・・・・零花・・・・」
震えて振り返る、少しだけ目が赤かったが、すぐにまことが目をこすってしまったのでよく見ることが出来なかった。
「なっ・・・・なに・・・・?」
震える声で俺に尋ねる、うつむいて・・・・・肩が震えてる。


「まこと、俺・・・・さっきは、あんなひどい事言って、ホンマにごめん
謝って済む問題じゃないけど・・・・俺、自分の中にあるどろどろした感情が、嫌やったん
ずっとマコトを独り占めしたいとか思ってて・・・まことが他の人と話してる姿が嫌やったん。

俺の・・・自分勝手な感情でマコト傷つけてしもうて・・・・ホンマに・・・ホンマにごめん

でも俺・・・・・俺、まことのこと・・・・そのくらい好きなんや」


まことは一度も顔を上げず、うつむいたまま。


「・・・俺、先に戻るわ」
これ以上この場にいたら、俺何しでかすかわからへん。
今のこの感情のままでいくと、無理矢理にでも抱きしめてしまいそうや。

踵を返した、その瞬間


「ぁ・・・いっ、言いたいこと言って去っていくなよなっ!!」

ビクッ
あまりの大きな声にびっくりして振り返った。まことの目から涙がこぼれてきてる。
顔を真っ赤にして、下唇をかみしめて・・・・。


「おっ、俺だってソンくらいの感情あるんや!!
零花が誰かとあそんどるのも嫌やし、零花が誰かと笑いあってんのもいやなんや!! でもっ、でもっ・・・ずっ・・・そんなこと言ったら、零花嫌がるやろうし・・・
俺のこと、嫌いになるかもと思って・・・・ひっ、いわんだのに・・・

俺は零花以上に、お前のこと好きなん・・・・っ!!」


そこまで言ったところで、俺はまことを抱きしめた。
震える肩も、服に付く泪も・・・・何より、まこと自身を、愛おしく。


「それ以上聴いたら、俺幸せで死んでしまうわ・・・・」
「・・・あほ、死なれたら俺が困る」
「はははっ、大丈夫や、俺は死なんよ・・・こんな最強の告白受けて死んだら、俺死にきれやん」
「・・・したら零花ゆーれーになっちゃうの?」
「ん〜・・・いいなぁ、それ、そしたらまこと独り占めできるし(笑)」
「やだぁそんなの、クスクス。ゆーれーやと抱きしめてくれやん」
「はは・・・・まこと」

まことの目から流れる涙を拭って、瞼にキスをする。
唇を離して、次はまことの唇にキスを。


深く・・・・深く・・・・


「んっ・・・はぁっ・・・もっと、零花」
「はぁっ・・・ん」


何度も・・・・俺達はキスをした。



遠回りな感情で、君を気づけてごめんね。


****************


「零花・・・・」
唇を離して零花を見上げた。まだ、お互いの息が荒い。
そんなことにさえ、いまドキドキしている。


「もう、もう絶対はなさんといてな。俺は、どんな零花も好きやから・・・」


誰にでもある感情に振り回されている、そんな君も好きなんだ。


「まこと・・・・うん、俺、お前を一生はなさんよvv」




もう、僕たちは迷路の出口を見つけたから、迷わない。




END



長かったぁ・・・・(汗)いつもは短編なのですが、今回は収まりきらなかったんで。
個人的には結構気に入っていたりします。零花さん側視点の方が多いですが。
でも、楽しかったんで(ヲイ)


隠しページの感想とかは・・・・・怖くて聴けないです(汗)土下座








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