ねこじゃらし
買い置きしておいたタバコが切れてふらっと街の中に足を運ぶ。
タバコだけ買えばいいものを、何故か鞄を持って遠くの自販機へ。
4日分くらいのタバコを購入した後、小さな公園のベンチに腰を下ろした。
やけに街がにぎやかな事に気付く。
クリスマス・・・・。
今年のクリスマスはなんだかとても淋しい・・・・。
理由は、はっきりと分かってるんだけどね。
前向きになろうと考えていたけど、あの4年間は楽しすぎて・・・。
「居心地が良すぎたんだよなぁ」
そう独り言を漏らして煙草を吸う。公園でただ一人、俺だけが小さくなっている。
周りを観ると楽しい風景。キラキラ光る街灯、キレイに飾られたクリスマスツリー。
笑顔で歩いていく人たち・・・・・。
今はただ、全てが眩しいだけだ。
ブルッ体が震え始めた。
寒いから帰ろうっと・・・・。でも、帰っても寒い部屋の中、誰もいない、暗い部屋。
こんな事なら馬鹿にされても良いから伏見でも誘えば良かったかなぁ・・・。
っても、多分伏見のことだ。誰かと飲んでいるに違いない。
チクリ
胸の奥の方が少しうずいた。
自分が選ばれなかった敗北感。孤独、鬱。
考えても仕方のない、ちっぽけな想いをタバコと一緒に踏みつぶして公園を出た。
帰っても暇だから、ビデオでも借りてみようかな。
旧作の映画を5本くらい借りて、コンビニによって酒買って・・・・飯買って。
コンビニ内でちらりとケーキが見えたが一人で食べるというほどむなしいことはないだろう・・・。
もちろん買わずにコンビニを出た。
吹き抜ける風は凍てつくように寒く、コートの隙間から入っては出ていく。
まだこんな寒さでめいっていては、冬はどうなってしまうんだろうね。
自宅が見えてきた、寒いので少し早足になってしまう。
帰ったら暖房付けて、炬燵付けて、風呂を沸かして、ビデオを観て・・・・
頭の中で帰ったときのプランまで考える。
家の玄関が見えてきたところで
「あっ!!」
ビクッ誰かがなんかおっきい声を出してビックリした。
地面に向けていた視線をドアの方へ移すと・・・
「ふっ、伏見!?」
なんと伏見が居るではないですか!!
俺の家の前に立って、ビール持って、小さな箱持って・・・・
「おかえり!」
「え・・・、お、お帰りじゃなくて・・・・伏見、何やってんの?」
「ん、りょうちゃんを待ってたんよ」
「は?」
「塚、そんなことより早く家入れてくんない?さ、寒い・・・」
「あ!ん、あぁわかった!」
ガチャガチャ鍵を出す手が少し震える。寒さのせいか、伏見のせいか・・・・。
「どうぞ」
扉を開けると一目散に伏見は炬燵の中へ。
「伏見、炬燵付いてないよ」
「いっ、いいの!外より寒くないから!!」
ドアを閉めて、部屋の電気をつけて、炬燵の電気もつけて、暖房もつける。
部屋が暖まるまで時間が掛かるだろう、お互いコートを脱がずに炬燵の中に。
「で。なんで待ってたんよ?」
「え・・・・、りょ、りょうちゃんと一緒にクリスマス・・・・迎えたかったから」
寒さで赤くなった顔が一段と赤くなる。鼻も、耳も、赤く・・・。
「でも、伏見他の人に誘われてなかった?」
「うん・・・・。でも、全部断った・・・・。だって・・・りょうちゃん、いないじゃん」
「・・・・伏見」
「それで、コンビニでケーキ買って、お酒買って、りょうちゃん家に行ったら居なくて
携帯の電池も切れるし、寒いしで・・・・」
って言って苦笑した。
そこまで言い終わった伏見を横から抱き寄せた。
「伏見・・・・。ありがとう。でも、伏見風邪引きやすいからそんなところで待ってるなよ」
「あ・・・・ぅん」
「体だって冷えてるし・・・・、ばかじゃねぇの」
「なっ!馬鹿とは!!んっ!」
聞き慣れた五月蠅い声を俺のキスでかき消して。本当はもっと聴きたいけど、後で。
今はただ、その冷たい唇を暖めたくて・・・。
キスを終えて伏見を抱く。伏見の体も最初よりは温かくなった。
「伏見・・・・。ありがとう」
「う・・・うん」
「Merry Xmas 伏見」
終わり
はい!!今回もほのぼので!!
ネタがお約束過ぎてしません;あんまりイイの浮かばなかった;
あ、あと、無駄な動きの文章多くてごめんね;
今回は、こういう入らない作業がしたくて(後悔)
あぁ、でも。やっぱこういう設定自分好きなんで・・・・;
す、すいません!!
*******************おまけ*******************
「んじゃ!ケーキ食べようっかぁvv」
「伏見どんなケーキ買ってきたの?」
「ん?チョコレートケーキと生クリームケーキと、モンブランケーキの詰め合わせセット!!」
「ぜ、全部甘ったるいのばっか・・・・・・(−−;)」
「ん?うまいんだぜ〜vv」
オワリ;