心音電車


移動中、次のライブ会場に向かう電車の中・・・・そう、電車の中だ。
普通機材を運ぶ車に俺達も乗っているものだが・・・・・
「ったく、なんで車がだめになるかねぇ」
「ホント・・・・俺達なんかあるんじゃねぇの?」
「あぁ・・・・ほんとに」
そう、又車がパンクしたのだ。俺(がお)と慎くんは二人してため息をつく。
たかしくんと杏太君は混雑していたから乗る車両が離ればなれになってしまった。
で、俺達は車に乗れないのに機材は普通車で何とか運んだ。大型の車は今頃修理工場。


っていうか、電車に乗ると眠くなるんだよなぁ。
「なんか、俺眠いかもしんない」
「うん、確かに揺られるとなぁ・・・寝てもいいぜ?」
「ううん、もうすぐで着くし・・・・」
と言いつつも今にも眠りそう・・・いやしかし、もうすぐで着くし・・・・。
「がおくん、無理しなくても良いよ?」
「ん〜・・・」
揺られるたびに睡魔が・・・・無理そう。
「ん、じゃあ、ちょっとだけ寝るから着いたら起こしてくれる?」
「あぁ」
俺は慎くんに感謝しながら目をつむった・・・・・



ガタンッ!

電車が急に激しく揺れる
何分くらい寝ていたんだろう・・・・慎くんがまだ起こしてないって事は、まだ着いていないのかな・・・
俺は目をこすって顔を上げる。慎くんが笑顔で
「起きた?がおくんよく眠ってたね」
っていった。気がつけば、俺の肩には慎くんの腕が回してあって、俺の頭は慎くんの左胸に。
「あっ、ごめ!俺慎くんにもたれかかってた?」
「ううん、俺が抱き寄せたの。がおくん揺れてるから危なかったし(笑)」
「あっ、ありがとう・・・」
どうやら、ずっとさっきみたいな体制なまま寝ていたらしい・・・
ちょっと恥ずかしかった、慎くんの胸の中で寝ていたことが。それを回りから観られていたことが・・・。
って・・・!?
「れ?慎くん、ここ・・・・どこ?お客さん少ないけど?」
さっきまで混雑していた車内は、俺と慎くんしかいなくなっている・・・・・
「あっ、あぁ・・・・此処終電だよ」
「・・・えっ!!?しゅっ!終電!?」
「うん、そう・・・・」
「うん、そうじゃなくて・・・えっ!?俺達のりすごした!?」
「うん」
って、だから慎くん笑顔でいわなくったって・・・・
「ぁ・・・ごめん。俺のせいだ・・・おれが寝過ぎたから、ごめん・・・たかしくんと杏太くんは!?」
「2人なら目的駅で降りたよ。電車のりすごしたことは電話してあるから、そのうち迎えに来るんじゃねぇかな」
「・・・ごめん、本当に・・・・」
おれ、ちょっとだけ寝るとか言いながら思いっきり寝てんじゃねぇかよ・・・
それに、慎くんやみんなに迷惑かけて・・・俺・・・・
「ちがうよ、がおくんのせいじゃねぇよ。俺がわざと起こさなかったんだよ」
「・・・・ぇ?」
「たかしくんと杏太君には降りるときに終電まで行くことは言ってあったし」
「え!?そっ、そうなのか!?」
「ぷっ、あぁ(笑)だって、がおくんの寝顔すげぇ俺好きなんだモン」
「!!えっ!?」
俺の寝顔が!?
「うん、俺はスゲー好きなんだよ、だから抱き寄せてもっと観たかったし、寝かしておいてやりたかったんだよ」
そういって慎くんは俺から目をそらし、窓を観た。顔が赤くなっている・・・
顔が熱くなってくるのが分かる・・・心臓も急に早くなってきた、いや。本当は、いつも慎くんといると心臓が五月蠅いくらいになるんだ。
顔だって、本当はいつも熱くて、それを隠すのに必死なんだ・・・。
慎くんから、そんな嬉しい言葉が聞けるなんて思っていなかったから、俺は・・・・・
「ありがとう、慎くん」
と、素直に言葉にした。本当に、嬉しい。
慎くんは俺の肩に置いてる手に力を込めて再び引き寄せた。顔が慎くんの心臓の処に置かれる。
「がおくん、もうすこしこうしてようか?」
「・・・・あぁ」
慎くんの心臓が激しく動く、その心地よさに耳を傾けて、僕たちはもうすこし2人で電車の中に残った。



俺達は手を繋いでホテルに向かった。ホテルではみんなが待っていて、俺達はおこられたけど・・・・
それでも、俺は幸せだからいいや。慎くんもそう思ってくれたかな・・・・。

ねぇ・・・君は幸せだった?



END



ほ・・・ほのぼの!
がおくんの性格とかあんまりわかんないのに瞬書き(多いね)
慎一郎さんをかっこよく、がおくんを乙女に(ぇ)がんばりました(無駄ね)
楽しかったです・・・・・(沈)


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