だって初めてだったから・・・・




もう、ドキドキしすぎて・・・・君がいっぱいになって。





初デート





春と夏の間の季節、なんて言うかわかんないけど、とにかく良い日だった。


この日、僕と圭二くんはお買い物に来ている。


そう、やっと圭二君がお休みを取れた日。


僕も忙しかったし、圭二くんはきっと特に疲れたんだろう。よく「疲れた〜」とかってスタジオでも言ってたっけ。


でも今日はそんなことも忘れてお買い物。




最初に新宿、次に竹下通りをクレープの匂いを嗅ぎながら歩いて、そのあと歩いて渋谷へ。


今日は平日と言うこともあって、人通りも少ない方だった。


色々ショップを回っていくうちに、お互い荷物が増えてきた。買いすぎたぁって、二人して苦笑いして。


「手虎くん、お腹空かへん?」


俺がスティッチのキーホルダーに目を奪われていたとき圭二くんが言った。


「あー・・・、うん、空く!!」


「じゃあ、そこら辺適当にはいろか」







適当にファーストフード店に入って腰を下ろす。


「手虎くん何が良い?俺買って来るよ」


「んー、じゃぁ圭二くんと同じのがいい!」


「えぇの?同じので」


「うん」


「わかった、じゃあまっとって!」


圭二君の背中を見送った。・・・あぁ、すっごくドキドキする。


最近逢っていなかったからかな。なんか・・・緊張してるよ、自分。


はぁ〜・・・・


そのまま机に伏せた。もう、俺駄目だ。


一緒にいれて幸せすぎる、しかも二人で。






「どないしたん?」


いつの間にか圭二君が戻ってきていたみたいで、俺はすぐに起きあがった。


「えっあっ!いやっ!なんでも無いよ!!」


「そう?疲れたとか?」


「いや全然。あ、ありがとうVV」


「いえいえw」


圭二君が買ってきてくれたハンバーガーを頬張る、最近食べていなかったから余計にオイシイ。


しばらくはお互いあんまり喋らなかったんだけど、圭二君がいきなり吹き出した。


「ぶっ!くくくっくっくっくっ!!」


「(゚□゚;)えっ!なに!!どうしたの!?」


「くっくっくっ、えー・・いやぁ、なんかさ・・・・」


しばらく笑いを抑えるのに必死で、ようやく落ち着いてきたみたいだった。


「ははっ、あんな、なんかこうしてると・・・デートみたいやなって、思って」


って言ってはにかんだ笑顔を見せた。


多分冗談で言ったんだろうね。でもね、僕には冗談でとれないんだよ?


デートみたいじゃなくて、デートだよ。
笑う事じゃないんだよ、僕には。
でもそのはにかんだ笑顔が、僕は一番好きだから・・・。

大好きなんです。


その後の会話はもうボロボロだったと思う。


どうして良いかわかんなくて・・・・冗談でも返せないから、戸惑った会話しかできなかった。







もう、辺りが暗くなってきて、街のネオンがキラキラかがやいてきた。


今日も、僕はバイト。そのことは圭二くんにはいってあるから、多分もうすぐお別れを言われるね。


僕たちは何も喋らないまま、ただ静かに歩いていた。



このまま一緒にいたい。
行かないで欲しい。
離れたくない。
一緒にいたい、一緒にいたい。


どの言葉も喉まで上がってきても、口には出せない。


「手虎くん」


気がつけば圭二くんは立ち止まって、僕の方をのぞき込んでた。


「あっ!えっ!?」


「手虎くん、ここでお別れやけど・・・」


「あっ、そ、そうだね。俺、こっちの道だもんね」


「うん。・・・なぁ、手虎くん」


「ん?」


「そのー、なんか悩みあるんやったらゆうてな」


「・・・・・・」


「さっきからなんか暗い顔してるし・・・・、元気なかったし。俺、飯喰ってるときなんか変なこというた?」


「あ、う、うぅうん。何でもないって。ありがとう」


本当は君のことが好きなんです。
大好きなんです。
もうどうしようもないくらい君が溢れてきているんです。
離れたくないんです。



言いたいけど、僕には言う資格がないんです・・・・。



「あ、じゃぁ!ばいばいっ!!」


このまま此処にいたら、たぶん泣きそうになるから。


サヨナラを言う言葉ですら上擦った声だったんだから。



僕の行く方向に走っていこうとしたとき、「待って!」って声と共に腕を掴まれて、振り向かされて


多分泣きそうな顔をもう一度圭二くんに見られたと思ったら、いきなりキスされて。




キス・・・・、されて。




頭の中が真っ白になって・・・・

真っ白の中に、圭二君だけが移ってた。





唇を離されて、圭二君を見上げると、圭二君の顔は真っ赤で・・・・。



「圭二・・・・く、ん?」



「あ、その・・・・。なんか、泣きそうな顔してた、から・・・・」


嬉しくて。


「圭二君、あの・・・・、この、意味って」


期待しても良いんだったら、キスの意味を知りたくて。



「そ、そのままの意味だよ」


君の言葉が聴きたくて。


「好き・・・・だよ」



嬉しくて。泣きそうになった。



「圭二君・・・」



「あ、じゃぁ!バイト頑張ってね!」


圭二君はそれだけ言うと、早足で帰っていった。




浮いてるみたいな感覚に襲われて、でも、唇にはしっかりと感覚があって・・・





まだ、好きって言ってないよ
まだ、俺の気持ち、言ってないよ
まだ、・・・側にいたいよ。





「・・・・こんなんで、俺・・・・バイトできるのかなぁ」






その場にしゃがみ込んで、次君に会える日を待ち遠しくなる。



いつでも君がいっぱいなんです。






*オワリ*





本当にすいません。
ノリです、キャラとか把握しきれていません。
ついでに初デートです。






すいません;

2005.05.11



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