2月14日
「今日はバレンタインデーだったね・・・」
「え?うん」
きわものたちの果実ツアーも、残すところ後少し。2月中旬のことだ。
ツアーの移動で泊まったホテルで、彼(勇気さん)が唐突にそういってきた。
俺と勇気さんは部屋の中で何をするでもなく背中合わせに座っているだけだった。
他のメンバーは電脳さんの部屋に遊びに行っていないし、那おきさんは半人格ラジオの皆さんと部屋にいる。
俺も本当は電脳さんの処に行きたかったけど、勇気さんが部屋に遊びに来てくれたので俺だけ残ることにした。
で、いたはいいものの、いきなりこういわれたのだ。
俺はどんな行動をとればいいのか分からなかったから、普通に答えていたが・・・・・
一体なんなんだろう・・・・・?
「女の子が男の子にチョコレートをあげる日なんだってさ」
「うっ、うん」
「告白までしちゃうという素敵な日なんだってさ」
「・・・うん?」
「チョコレートじゃなくても良いんだって」
「うん」
「気持ちなんだってさ」
「うん」
「それで・・・・・」
勇気さんが俺の前に座った
「真一郎は俺になんかプレゼント無いわけ?」
「・・・・へ!?」
ぷっプレゼントって・・・・!?
「へ、じゃねぇよ。なんかないのかよ」
「なんかって・・・だって、おっ男の俺になんかもらったってしょうもねぇんじゃねぇの?」
「お前だから欲しいんだよ」
!!・・・・おっ俺だから・・・?
勇気さんは真剣な目を一瞬したあとアハッって言って笑った。
ドキッ・・・・・・
急に胸が熱くなって、動機も激しくなってきた・・・今まで、こんな事なんて無かったのに。
「とっとにかく、ないよ・・・・上げるものなんて」
「別に物じゃなくても良いんだけど?」
「でも・・・何もないし」
俺は顔が熱くなってくるのを感じたので、急いで下を向いた。恥ずかしい。
「そ・・・かぁ」
勇気さんは少し残念そうにそういった。
それよりも、自分の心臓の音が大きくなっていくことに戸惑っていた。心臓の音が耳のあたりまで聞こえてくる。
部屋に、まるで響いているかのようだ・・・・・。
「ん、じゃあさ」
肩をつかまれ、俺は顔を上げた。
「俺から真一郎にプレゼントしてやるよ」
「っえ?」
プレゼント・・・・、勇気さんが、俺に?
「な、にくれんの?」
「ん〜、それはねぇ・・・・」
勇気さんは手に力を込めて俺を引き寄せた。
気づいたときには、勇気さんにキスをされていた。ちゅっ、て小さな音を立てて、一瞬だけ。
それでも俺は、それが一時間にも感じられるような気がしていた。時が止まったようだ・・・・。
「っ!!」
唇が離れてから、俺はとっさに口を手で覆った。
っ!!て!?おっおれ・・・・ゆっ勇気さんと!!?
勇気さんは肩に手をおいたまま俺の様子をうかがっているようだった。
「俺からのプレゼント」
嬉しそうにそういった、今、まともに顔を上げられないが彼が笑っているのは何となく分かった。
「真一郎、耳まで真っ赤だ」
「だだだっだってこれは!その・・・勇気さんが・・・」
「はははっ、かわいいなぁ」
クスクスと勇気さんは笑った。
勇気さんは俺の肩から手をどけ、立ち上がった。
「じゃぁおれ、もう行くわ。明日、ガンバロウな」
平然としている彼が少し恨めしくなった。じっ自分はしてきたから良い物を・・・。
「・・・うん」
「あ、真一郎」
少しだけ顔を上げた、彼と目が合う。勇気さんはとても笑顔だった
「お返しは、倍返しな。お前以外は受けとらねぇから、じゃぁおやすみ」
「はぁ!?」
バタン・・・・!
彼は部屋を後にした。
取り残された俺はというと・・・・・・
はぁっ!?おっおかえしは・・・・・俺って事!?・・・・えぇっ。
と、心臓の音を聞きながら動揺していた。
「ふぅ・・・」
ひざが震えてる、心臓が破裂しそうだ・・・・。
真一郎は、俺の気持ちに答えてくれるのかなぁ・・・・。こんな伝え方しかできなかったけど。
それでも・・・・真一郎が逃げなかっただけでも、嬉しかった。
この気持ちは、彼に伝わったのだろうか・・・・・?
この気持ちの意味は・・・・なんなんだろう・・・?
2人の夜は過ぎていった
end
いきなり書いたモノが此ですいません、でも、理解のある方が読んでいるのだと言うことを信じています。
キャラとか全然分かってないので、かなり兄貴は純情っぽくなっちゃってます;
勇気さんのことなんてよんでるんだろう・・・・・。
色々間違って手、すいません
2004.02.14