恋をしたら、どうして人は迷ってしまうんだろう?



最近零花の態度がつれいない・・・・・。
どうしてだろう?確か先週まではいつも通りじゃれ合ったりしていたはずなのに。
聴いてみるのも、ちょっと怖い・・・・な。


レコーディングのドラムの音取りが始まる地下室。零花の姿がガラス越しで見える。
朝会っても目すら合わせてくれない。
他のメンバーとはちゃんと接しているのに・・・・・どうしてかなぁ?
「どうしたんですか?まことさん」
「ふぇっ?」
気がつけば隣にまやくんが座ってた。
「なんか、沈んでますけど・・・・?」
「あ、ううん。やんでもないよ〜。レコのこと考えていただけ」
「そう、ですか?・・・なんか、深刻そうですけど?」

ギクッ

意外とまやくんするどいかも・・・・・。
「相談にならのりますよ?」
「う〜ん・・・・・まやくんにはかなわないかも(苦笑)」


観念して思うこと全部はなしてみた。


「そう、ですかぁ」
「うん、でも多分俺の気にしすぎだと思うんよね。零花、ちょっと音取りでぴりぴりしてるだけなんやと思う」
「そうですよ、気にしない方が良いですよ!」
「ありがとうまやくん!ちょっとは俺も気、晴れたしvv」
「いえいえ、僕はこのくらいしか・・・」
「そんなことないよ〜。俺、すっごいたすかってるし!!ありがとう!」
「(笑顔)」

『すいません、ちょっと休憩良いですか?』

ドラムを叩いていた零花から声がかかった。
まやくんと話していて気がつかなかったが、どうやら音直しを何回もしていたみたいだ。
ドラムセットを残してスタジオを飛び出していった。
「まっ、ちょー零花待って!!」
すぐにその後をついていく。



**********



なんでこんな事になったやろ。
ドラム叩いているときまこととまやくんが話しているところをみてたらむかついてきた。
最近はずっとそうや、まことが誰かと話してると、凄くムカムカする。

嫉妬・・・・・・
そんな嫌な感情ばかりが頭ン中回ってる。
そんな自分が嫌んやる、いつかまことを傷つけてしまうかもと思って距離をとったが・・・・


・・・・・そんな感情無くなる分けない。


だんだん苦しくなるだけや・・・・

「零花っ!!」
後ろからまことの声がした。いま振り返るのは・・・・ちょっといややなぁ・・・。
「あの・・・・ドラム、うまくいかんの?」
「・・・・うん」
「その・・・・気にすることない!もっと気楽にやっていこう!」
「・・・・・うん」
「だから、その・・・・・戻ろう?」
まことの手が俺の腕に絡まる。
「はなしてっ!!」
つい反射的に払いのけてしまった。払ってしまった後から後悔する。
「あ・・・・ごめん」
「ううん・・・・・零花・・・」
「もう一人でおりたいんや、はよ向こう行ってくれへん・・・」
気持ちとは反対の言葉ばかり出てくる。
本当はこうやって追いかけてきてくれたことが、凄く嬉しいんやけど・・・・


けれど、もうとまらないんだ・・・・・このどろどろした気持ちが。


数秒後、淋しげな足音が消えていった・・・・。


振り返っても、もうまことはそこには居なかった。

なんで、なんであんな事言ってしまったんやろ。傷つける気持ちはなかったんだ。
ただ、まやくんと楽しそうに話している姿を見ていると、どうしても感情が壊れてしまって、もとには戻らない。

「はぁ・・・・・」

「・・・大丈夫?」

不意に上から声が聞こえてきた。顔を上げると、そこには竜さんが立っていた。
「あ・・・・」
「零花がいきなり飛び出していったから、ちょっと心配で・・・・」
「ありがとう・・・・ちょっと気分のらんだけやから・・・・」
「無理しちゃいけないよ」
「うん、大丈夫」
「気持ちのままに・・・・零花らしくないから・・・もっと、本当の気持ちで相手に伝えなよ」
「あ・・・・」

さっきの会話、聴いていたんだ・・・・

「俺がどうこういえる問題でもないけど、聴くだけ聴くから・・・・」
「竜さん・・・・・・」
竜さんは俺の目を真正面から見た。

「ありがとう・・・・・ちょっと、やきもち、妬いてたのかなぁ・・・そんな感情ばっかでてきて、自分が嫌になってたんです
そう思っちゃいけないのに、そう考えちゃいけないのに・・・・ただ、波のように感情があふれてきて、止められなくて・・・」

ポンッ・・・・・

竜さんが俺の頭に手を置いて、撫でてくれた。
「そうやって感情押さえ込んでもあかんよ。自分見失うだけやに。
零花は他のことまで考えちゃったんだね・・・あの人のことまで、考えちゃったんだね。
でもな・・・・ごちゃごちゃ考えやんと、相手を信じてあげればええ。
相手は、そんな廻りの気遣いよりも、自分の事を思って欲しいおもてるから」

「龍さん・・・」
「ほら、行ってあげなよ。零花が来るのまってるで。・・・まことは零花に来てもらいたいやから」

「・・・・うん!!」
まことが行ったであろう場所に向かって走っていく。

すぐに、行くから・・・・・!!



「行ってらっしゃい・・・・零花.



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収まりきらなかったから、続く。
微妙に隠れ小説作りました(汗)




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